留学を忘れた2022年|夢の国でも勉強した看護師の昇進試験

家族旅行中も昇進試験の勉強をする父のイラスト 親子留学

寿司職人になって海外で働く計画も、コロナによって実現しないまま終わりました。

そして2022年。

私は留学のことをすっかり忘れ、仕事と子育てに追われる毎日を送っていました。

子どもたちは2歳、4歳、6歳。

朝から晩までにぎやかで、家に帰っても休まる時間はほとんどありません。

そんな中、職場では私にも昇進の話が出てきました。

昇進するには過酷な試験が待っている

私が働いていた病院では、昇進するために試験を受けなければなりませんでした。

しかも、簡単な面接だけではありません。

まず、かなり分厚い教科書を購入します。

動画による授業を受け、看護論、看護方法、組織運営など、幅広い分野を勉強します。

さらに、上司が作った予想問題を何度も解かなければなりません。

そして、この試験が意外とよく落ちるのです。

「看護師として普通に働いてきただけでは、昇進させませんよ」

そんな病院からの強い意志を感じる試験でした。

試験に受かった上司なら、もっと……

ここからは、あくまで私の個人的な感想です。

看護師の世界では、人柄がよくて仕事のできる人ほど疲れ果て、現場を離れてしまうことがあります。

一方で、

「この人は、あの難しい昇進試験に本当に受かったのだろうか?」

と思ってしまう上司に出会うこともありました。

あれだけ看護論や組織運営について勉強したのなら、もう少し現場で生かしてほしい。

そんなことを心の中で思ったこともあります。

もちろん、尊敬できる上司や、一緒に働きたいと思える管理職もいました。

たまにですが。

……私のいた職場だけかもしれません。ごめんなさい。

2歳・4歳・6歳との生活と夜勤と試験勉強

偉そうなことを書きましたが、まずは自分が試験に合格しなければ何も始まりません。

当時のわが家には、2歳、4歳、6歳の子どもがいました。

静かな場所で教科書を開こうとしても、

「お父さん、見て!」

「お父さん、遊ぼう!」

「お父さん、なんか食べたい!」

次々と声がかかります。

夜勤もしながら、子ども3人と戦い、その隙間で試験勉強。

勉強時間をつくること自体が、すでに昇進試験の一部でした。

さらに困ったのが、試験の日程がなかなか決まらないことです。

いつ試験があるのか分からないまま勉強を続け、日程が分かったときには、試験まであまり時間がありませんでした。

試験1週間前にディズニー旅行

そして、なぜか試験の1週間前に、家族でディズニー旅行へ行く予定が入っていました。

普通なら旅行を延期するところかもしれません。

しかし、子どもたちは楽しみにしています。

家族5人の旅行を簡単に変更することもできません。

こうして私は、分厚い教科書と勉強道具を持って、夢の国へ向かいました。

飛行機の中で勉強。

アトラクションの待ち時間にも勉強。

子どもたちが寝たあとも勉強。

周りの人がミッキーやシンデレラについて話している中、私は看護論と組織運営について考えていました。

夢の国にいるのに、頭の中は昇進試験です。

今思えば、あの旅行で一番夢を見ていなかったのは私だったと思います。

これは落とすための試験では?

そして迎えた試験当日。

それなりに勉強したつもりでした。

夢の国でも勉強しました。

ところが、問題用紙を開いてみると、知らない言葉や見覚えのない選択肢が次々と出てきます。

「こんなこと、教科書に書いてあったか?」

「動画の授業で説明していたか?」

試験を受けながら、ある考えが頭に浮かびました。

「これは昇進させるためではなく、落とすための試験なのでは?」

夢の国で積み重ねた勉強が、まったく通用していない気がしました。

結果は……

そして後日、試験結果が発表されました。

結果は……。

合格。

夢の国で、アトラクションにも乗らずに勉強した努力が報われました。

いや、アトラクションには乗りましたが、並んでいる間も勉強していました。

昇進試験に合格した私は、

「これからも看護師として働き続けるんだろうな」

そう思っていました。

このときの私は、まさか数年後に仕事を辞め、家族5人でカナダへ留学することになるとは想像もしていませんでした。

留学の夢は、私の中では完全に消えていたのです。

しかし、妻の中では……。

まだ、何も終わっていませんでした。

続く。

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