「家族で海外に住んでみたい」
最初にそう言い出したのは、べべでした。
以前から海外生活に興味があり、親子留学について調べたり、候補になる国を探したりしていました。
ところが、仕事が忙しくなると留学活動はいったん停止。
べべの留学調査部は、しばらく休業状態になりました。
そこで、なぜかポニーがリサーチのバトンを受け取ることになります。
このときのポニーは、まだ知りません。
付き添いで海外へ行くつもりだった自分が、やがて家族の滞在を背負い、語学学校へ通う側になることを。
最初は、べべの留学を手伝うだけだった
最初の目的は単純でした。
「べべが留学したがっているから、少し調べてみよう」
本当に、それだけです。
仕事の休憩中や、家で少し時間が空いたときに、スマホで検索するようになりました。
検索した言葉は、だいたいこんな感じです。
- 家族5人 親子留学 安い国
- 子ども 現地校 親のビザ
- 英語が話せない 海外生活
- 家族留学 費用
最初は軽い気持ちでした。
しかし、一つ調べると、新しい疑問が三つくらい出てきます。
子どもは現地の学校へ通えるのか。
親はどのビザを取ればいいのか。
夫婦のどちらかだけ学校へ行けばいいのか。
5人家族だと、いったいいくら必要なのか。
調べても調べても終わりません。
留学について調べているのか、新しい疑問を探しているのか、だんだん分からなくなってきました。
家族5人の留学情報が、ほとんどない
親子留学について検索すると、よく出てくるのは「母と子ども」の留学です。
しかし、わが家は夫婦と子ども3人。
合計5人です。
親子2人の留学費用を見て、
「これなら何とかなるかもしれない」
と思っても、わが家の場合は航空券も保険も生活費も5人分。
計算機をたたいたあと、そっと画面を閉じることが何度もありました。
「家族で安く留学」と書いてあったはずなのに、まったく安くありません。
そもそも5人家族の体験談が少なく、やっと見つけても子どもの年齢やビザの条件が違います。
わが家にピッタリの正解は、インターネットのどこにも落ちていませんでした。
当時はChatGPTを使っていなかった
今なら、分からないことがあればChatGPTに質問できます。
家族構成、予算、滞在期間を伝えれば、候補になる国や都市を一度に整理してもらうこともできます。
しかし、この頃のポニーは、まだChatGPTを使っていませんでした。
頼れるのは、インターネット検索だけ。
留学エージェントのホームページ、個人ブログ、学校の公式サイト、体験談などを一つずつ開いていきました。
ところが、同じことを調べているはずなのに、サイトによって書いてある内容が違います。
情報が古い。
条件がよく分からない。
さっき見たサイトと話が違う。
タブを何枚も開きすぎて、どのサイトに何が書いてあったのか分からなくなることもありました。
調べているうちに、海外生活へ憧れ始めた
最初は、べべの希望をかなえるための調査でした。
ところが、海外で暮らす家族のブログや写真を見ているうちに、ポニー自身も少しずつ興味を持ち始めました。
海外の学校へ通う子どもたち。
現地のスーパーで買い物をする家族。
見たことのない街や自然。
日本とは違う生活。
「家族で海外に住むのも、面白そうだな」
そんな気持ちが、少しずつ大きくなっていきました。
留学先は決まっていません。
費用の見通しもありません。
英語も話せません。
それなのに、頭の中ではすでに家族5人で海外生活を始めていました。
気づけば、仕事の休憩中も家でも留学
気づけば、仕事の休憩中にも留学情報を見ていました。
帰宅してからも検索。
休みの日にも検索。
スマホの検索履歴は、
「親子留学」
「学生ビザ」
「子ども 現地校」
「家族5人 海外生活」
で埋め尽くされていきました。
最初は、べべの代わりに少し調べるだけだったはずです。
それなのに、いつの間にかポニーの方が真剣になっていました。
「どうすれば家族5人で行けるのか」
「どの国なら現実的なのか」
「子どもたちにとって、どんな経験になるのか」
そんなことばかり考えるようになりました。
べべの「留学したい」は、呪いだった
べべが忙しくなり、留学についてあまり話さなくなっても、その言葉だけはポニーの頭に残り続けました。
「家族で海外に行きたい」
「子どもたちに海外生活を経験させたい」
「今しかできないかもしれない」
最初は、べべだけの夢でした。
しかし、何度も思い返しているうちに、ポニーにも完全に感染してしまいました。
これはもう、単なる希望ではありません。
留学の呪いです。
仕事の休憩中も留学。
家にいても留学。
暇があれば留学。
気づけば、留学について調べない日の方が少なくなっていました。
ポニーの方が本気になっていた
最初は、べべの留学計画を手伝うだけのつもりでした。
ところが、調べれば調べるほど、
「本当に家族5人で行けるかもしれない」
と思うようになりました。
もちろん、この時点では何も決まっていません。
国も都市も学校も決まっていない。
ビザの仕組みもよく分からない。
そして、ポニーは英語を話せない。
それでも、海外生活への気持ちだけは、どんどん大きくなっていきました。
このときのポニーは、まだ知りませんでした。
家族の付き添いとして海外へ行くつもりだった自分が、やがて語学学校へ通う学生になることを。
何気なく始めたインターネット検索が、家族5人の生活を大きく変える第一歩になることも。
次回予告
次回は、家族5人で留学する方法を本格的に調べ始めた話です。
フィリピン・セブ島の親子留学、子どもたちの英語力、そして医師や看護師として海外で働く方法まで調べ始めます。
しかし、そこで分かったのは、
「資格があっても、英語が話せなければスタートラインにも立てない」
という厳しい現実でした。
ポニーの留学リサーチは、さらに深みにはまっていきます。


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